金メダルの荒川静香さん流氷でイナバウアー??

日本テレビ「世界の果てまでイッテQ」での企画で、フィギアスケート金メダリストの荒川静香さんが、流氷の上でイナバウアーを披露することになりました。その実現にはお笑いのチャンカワイさんや、多くの地元の人々の涙ぐましい努力がありましたので、ご紹介します。

チャンカワイさんはこれまでにも番組でさまざまな試練を体験してきましたが、今回もまた大変でした。
舞台は厳寒の北海道で、チャンさんはまずは小手調べと網走の近くで流氷に乗ってみました。そして残酷なことに、海に落ちてしまうところからやらされました。

それから、知床の羅臼に移動して、流氷を作り出して海に浮かべてリンクにするテストをしました。5m四方の木枠の中に氷のブロックを90個ほど敷き詰め、水を撒いて一晩置くと大きな氷の板になるのですが、作業は主として、建設会社の人たちが担当し、チャンさんも手伝いました。大工事でしたが、これを海に誘導し浮かべて、チャンさんが乗ってみたところ、大丈夫なことを確認しました。

そこで、本番用に20mほどのリンクの制作にかかり、まず木枠を作ってそこに1000個以上の氷のブロックを敷き、水で一枚につなごうとしました。つないだ氷は水をまきながら表面を削り平らにしてスケートで滑れるようにしなければなりません。凹凸は5mm以下ということで、リンク整備の経験のあるADの指導で、チャンさんも必至に作業をしました。

完成したら、それを海に引出し、浮かべようとして始めましたが、荒川さんが来る前日になり、設置場所へ行く道路が雪崩で通行止めになったり、海が荒れてきて、準備した人工流氷では無理ということになり、急遽作業用の台船の上に氷を作り直すことになりました。
台船の上ですから、流氷とはいえませんが、やむをえない代案です。

こうした作業を厳寒の知床で、夜を徹して続け、いよいよ荒川さんの演技当日となりました。
すると天候のいたずらでしょうか、当日は好天となり、気温が上昇して、氷の表面がシャーベット状になってしまいました。

氷上に降り立った荒川さんは、スケート靴を履いて試してみましたが、滑るどころではなく、フィギアは無理だと言いました。しかし、荒川さんはここまで大勢の人が努力したことを考えて、フィギアの真似事だけでもやりましょうと言い直しました。本番用のコスチュームになって、スムーズには進みませんが、イナバウアーのポーズまで演技し、地元の人から喝采をうけました。

また、来年にもう一度企画したら荒川さんもまた来てくれると約束されました。テレビ番組のために大掛かりなことをするものだと思われましたが、チャンさんの苦労も報われたことでした。

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